この研究室では細胞診や免疫組織化学に関する研究を行っています。

細胞診とは

 細胞診は主に病院の検査室で行われている臨床検査項目の一つです。臨床検査技師,細胞検査士,細胞診専門医で行っている検査です。細胞検査士は臨床検査技師を取得している必要があります。細胞診専門医は医師です。

 細胞診検査は患者さんからブラシや針を用いて細胞を採取し、スライドガラスに細胞を塗布して、色を付けた後に顕微鏡で観察します。細胞の色や形、大きさなどを観察することで、正常な細胞なのか異常な細胞なのかをヒトの目で判断している検査になります。判断を間違えると大変なことになります。日々勉強し、能力や技術を培っている職業です。

 近年、第三次AI(artificial intelligence)ブームが到来し、ディープラーニングが多くの分野で取り入れられるようになりました。細胞診の分野においても、ディープラーニングを用いたAIに関する研究が行われています。

 このホームページの上部に表示している写真が、細胞の写真です。この細胞は悪性中皮腫の培養細胞です。

免疫組織細胞化学とは

 免疫組織細胞化学は、抗原抗体反応を利用して、組織・細胞が持っている抗原性を証明する手法(染色法)です。一般的に酵素を利用した酵素抗体法と、蛍光色素を利用した蛍光抗体法が知られています。酵素抗体法は、免疫染色(免染)として検査室で頻繁に行われている染色になります。

 免染を行うことによって、細胞が持っている特徴を把握し、病理診断や細胞診断に利用されています。また、個別化医療において治療薬を決定する際に免染が行われることもあります。全国、全世界のどこの検査室においても同じ結果が得られないといけません。その管理・保証がとても大切です。